2009年 10月 28日
エアチェック盤を聴く |
エアチェック盤とは・・・・・・
ラジオ番組等をそのまま録音してレコード化したもの。
こう言ってしまえばあまりにもそのままなので身も蓋も無いが、トラッドジャズにおいては貴重な資料にもなり得る、大切な物なのである。
少なくともBe-Bopが世に出てくる1940年代半ば位までは今で言う ”実況録音盤” なる概念は存在せず、世に出回っていたレコード(未だLPは無い時代)はスタジオ録音で3分程度の曲を ”バラ売り” しているのが大半を占めていた。
そんな中で1930年代から急速に発展を続けたラジオ局、この頃までには番組を制作する大手のKey局が中小の地方局に番組を ”供給する” という形が整いつつあった。
テープレコーダーがろくに無い時代こうしたラジオ番組は ”トランスクリプション” と呼ばれる16inchの音盤でやりとりされていた。だいたい片面1面で15分程度収録されていたのだが、この音盤→正規の機械でちゃんと聴いてやると矢鱈いい音がするのだ!!
一般的に エアチェック盤=劣悪な録音の海賊盤、というイメージがあるが ”盤(板)起し” と呼ばれるこれらトランスクリプションから制作された物は後年のテープ録音によるものよりはるかに高音質であるのもこれまた皮肉な話。
これなどはその代表的な物。
主にホテルのボールルームからの実況が多かったが、いかにも時代がかったアナウンサーの声やわずかに聴こえる聴衆(この場合は踊っていた人々)のざわめき、そして戦時下だったためだろう、様々な国債のPR等・・・今聴いていると色々な事が想像できて僕などは大好きだ。
・・・・・そしてこれらのレコード達をより想像力豊かに再生しようとするなら・・・・・
僕は少なくともこうした ”キカイ” を使いたい。
昭和20年代の真空管ラジオ、トランス背負ったスピーカーがベークライト製後面開放キャビに入っている。
こちらは1928年製マグナボックス社マグネティックスピーカー。
こいつらを鳴かせるには大袈裟なampは要らない。
6BQ5 シングル、たった5Wでも十分過ぎる。
・・・・・昔のアナウンサーってなんでこんなに雰囲気があるのだろう?
by slapper1107
| 2009-10-28 01:14
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