2009年 12月 10日
死角なし |
♪Nobody Knows
Count Basie &His orchestra ,Jimmy Rushing(vo) parlophone R-2755
『オールアメリカンリズムセクション』
たった一言でジャズとは・・・・?と訊かれたら、僕は黙ってこのレコードを差し出すだろう。
まさに ”無人島レコード” とでも言える逸品だが、何故にこのレコードなの?
ここから先はまったく僕の好みだけで話を進めるが・・・・・
やはり ”リズム屋” としての耳で聴いた時、最もswingしている演奏がこれだと思う。
("swing" の定義はいずれ後日にでも・・)
ピアノ、ベース、ギター、ドラムスをひとまとめにして『リズムセクション』という言い方をするが、ジャズ史上恐らく最初に意識的に紹介されたのがカウント・ベイシー(p)/フレディ・グリーン(g)/ウォルター・ペイジ(b)/ジョー・ジョーンズ(ds)の四名。
まさに1+1+1+1=4ではなく20位になる演奏ぶりである。(ところでこの命名者がかのP・ホワイトマンだった、というのは本当だろうか?)
これこそ 死角なし、 の完璧なswing。
この中でもkey man となるのは(リズム)ギター奏者F・グリーンだろう。
実はこの ”オールアメリカンリズムセクション” には後年(50年代*New Basie期)に ”二代目”が現れることになるのだが、御大ベイシーはともかく唯一グリーンだけは最期までギターの椅子に座り続けたのである。
蕎麦でいうところの ”つなぎ” の良し悪しで味が決まる、とだけ言っておこうか。
さて、このレコードであるが・・・・・
”リズムセクション” と名乗る以上彼等四人だけの演奏(勿論これとて絶品)よりも、誰かのバックをつけている物。
さらにB・クレイトン(tp)やD・バイアス(ts)あたりでは当たり前すぎる?ので究極のブルーズシンガーにしてジャズシンガーの嚆矢でもあるJ・ラッシングのバックを務めた物・・・・・という事でこうなった次第。
音源のみならこの頃(30年代末)のデッカ録音、復刻LP(CD)でいくらでも手に入るはずだが僕はSPで見つけたらパーロフォン(やはり復刻だが)だろうがナンだろうがなるべく即入手するようにしている。
このレコードと最期まで争ったのはオーケイレーベルの ♪West End Blues (L・アームストロング’28年)だった事を白状しておく。
by slapper1107
| 2009-12-10 00:20
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