2010年 05月 24日
本当の個性派 |
5/17、ハンク・ジョーンズ氏没(91)
亡くなる直前まで新録音が出ていたので正直驚いたが、90歳を越えていたのか・・・。
この人が語られるとき必ず出てくるのが
『ベニー・グッドマンからマイルスまで』 という幅広い共演歴。
確かに驚くべきは、誰と演奏していても一聴すれば分かるそのスタイルは死ぬまで不変であった。
(ブラインドテストでこんなに当てやすい奏者はいない、と思う)
dsならばケニー・クラークからオマー・ハキムまで・・・・・スタイルを変えずに彼らと同じスタンスで共演出来るなんてこのピアニスト以外には考えられない。
よく ”器用” とか ”ヴァーサタイル” とか言われるが、H・ジョーンズの場合
自分が周りに合わせる、のではなく周りが自分に(結果的にしても)合わせてくれる のではないか?
・・・・これってよくよく考えたら ”自分を出してナンボの” ジャズの世界では稀有なケース、それも表向きはさほどガンガン前に出るタイプではないハンク氏だからこそ尚更である。
もちろん、豊富な引き出しや共演者に対する深い理解無しには不可能なのだが 本当の個性派 とはこんな人の事を言うのだなと思う。
広いジャズ界を見渡せば同じ様な ”資質” を具えていた人がもうひとり。
そう、Bassのミルトン・ヒントンである。
やはり共演してきたドラマーを挙げてみれば、コジー・コールからエルヴィン、さらにはS・ガッドまで・・・自分の流儀は変えずに、だ。
ただこれが出来るには大前提として80~90歳まで第一線の現役であった事を挙げねばなるまい。
『無事、これ名馬』はジャズ界にもあてはまるのである。
(話が逸れるが、ビックスやブラウニーを評価する際あまりにもその夭折ぶりだけを強調するのは如何な物か?)
最後にお粗末ながらも追悼文らしくその代表的名演を・・・・・
Somethin' elseでもGJTでもなく彼の本質はこういう作品にこそあるのでは? と思う。
Hank Jones氏、ジャズ界の中でも最も格調ある ”ブルース弾き” でもあった、合掌。
by slapper1107
| 2010-05-24 10:04
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