2011年 04月 04日
リズムセクション考 |
よくビックバンドでは管楽器別に
ブラス(金管)セクション=トランペット、トロンボーン
リード(木管)セクション=サックス、クラリネット、フルート
等といったパート分けがされていて、
セクション練習している姿を横目で見ながら
『同業者同士仲良さげでいいなあ・・・・』
なんて無責任にも羨ましがっていたものだ(ま、実際には色々あるんだろうけどね)。
そこへいくと我々リズム屋稼業は基本的には個人商店みたいなもの、
個人個人で上手くなれば仕事も増えて万々歳、みたいな感じがどうしてもつきまとうが本当はそうでもない。
やはりチームプレイ、なのである。
“最小単位” のベース&ドラムのユニットの良し悪しが先ずそのバンドの命運を決める、と言っても大袈裟ではないし
これにピアノやギターが加わって拡張されたいわゆる リズムセクション という概念は古くからあった。
オールアメリカンリズムセクション、という称号がある。
人によってはあのマイルス(ディヴィス)のリズム隊、
レッドガーランド(p)ポールチェンバース(b)フィリージョージョーンズ(ds)~あるいはその後のハンコック、カーター、ウィリアムズを連想されるかも知れぬがさにあらず。
僕などは条件反射で
カウントベイシー~ウォルターペイジ~フレディーグリーン~ジョージョーンズ
そう、ベニーモーテンのブルーデヴィルズを起源としそのままベイシー楽団の中枢を占めたあのユニットである。
ベースと(リズム)ギターが徒党を組む中ドラムス、この場合はハイハットが雄弁に主張してピアノが控え目に相槌を打つ・・・
僕がイメージする
ジャズでもっとも美しくそしてSWINGする瞬間。
(ノリ方がこれ以上前でも後ろでもいけない……均衡のとれたそれはまるで美しい建築作品を見ている様ですらある)
狭義にはカンサススタイルとされるかもしれないが、もうそんな事どうでも良い。
レスターヤングもバッククレイトンもディッキーウェルズも
この “土台” 無しにはあそこまでの演奏になったかどうか?
このタイプのリズムのニュアンス(としか言い様が無い)は少なくともトラディショナルなジャズを演る上での世界共通言語だと思うし、良い演奏になる上での最低限の必要条件である。
僕らが今これらを勉強しようとするなら
先ず聴くべきは全盛期のベイシー楽団、つまり30年代のDecca録音。
それに準ずるものとしては
それこそ星の数ほどある後年の “中間派”物・・・・
例えば
ピアノ:サーチャールズトンプソン、ラルフサットン、ナットピアース
ベース:ジーンラミー、ミルトヒントン、エディジョーンズ
ギター:スティーブジョーダン、バッキーピザレリ
ドラムス:ガスジョンソン、オシージョンソン
これはほんの氷山の一角・・・この手の面子が入っているレコードならまず外れはないだろう。
たかがリズム、されどリズム・・・である。
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by slapper1107
| 2011-04-04 00:17
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