2017年 05月 27日
60年代→70年代 |
核になるメンバーはそれぞれのリーダーでもあるエルヴィン・ジョーンズ(ds)とジョー・ファレル(sax,fl)。
2人は当然両方の作品に入っているが、これ自体は『バンドリーダーとサイドメンが儀礼的にお互いの吹き込み参加』という事で珍しくもない。
かたやエルヴィン盤が1968年吹き込みファレル盤が1971年吹き込み、両方ともRVG録音・・・・一聴すると似たような感じがするかもしれないのだが
今の耳で聴いていると何か 決定的に違う 様な気もするのだ。
コルトレーン的なサウンドを追求するファレルの演奏は両盤に共通する物だが、異なるのはその周り。
サイドメンは勿論だがもっと大きな意味での空気感というか、一言で言うならこの僅か3年ほどの間には『60年代vs70年代』という象徴的な構図が見てとれる。
それは言うまでもなく、ロック的なリズム、電気楽器………等の表層的な事ではなかった。
エルヴィン盤がシンプルなピアノレスTRIOであるのに対して、ファレル盤では
エルヴィン/ファレル組による従来の正統的ジャズ(?)路線とアイアート/チック組によるマイルスバンド〜リターントゥフォーエバーなる新しいコンセプト路線が重層的に見え隠れする。
さらに、同じ様なメンバーとスタジオで制作された2枚だが発売されたのはBlueNote、CTIというそれぞれ5-60年代/70年代を象徴するレーベルだったのも興味深い。
中山康樹さんの 著作にちょうどこの頃マイルスの『Biches Brew』と出会った衝撃が生々しく出てくるが、僕は残念ながら僅かにリアルタイムでは乗り遅れてしまった。
ジャズレコード100年の今年、振り返るならこの辺り(60年代→70年代という境界)が最もドラスティックで面白い時期ではなかったのか?と僕は思う(そして同時にジャズ喫茶が輝いていた最後の時期でもあった)。
それだけ、この数年間でジャズのみならず色んな価値観が変わったという事なのか?
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by slapper1107
| 2017-05-27 00:04
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