2010年 02月 18日
本当の音 |
昨日はOff日。
ほぼ終日この間の番町教会の実況ディスク(↑)を聴いていた。
先日申し上げた通り、早々のCD化に向けて来る25日にはオーディオパークスタジオにて選曲~マスタリングへの ”音決め” くらいまでの作業が待っているのだ。
1部2部、そしてアンコール曲も合わせたら全部で20曲程のマテリアル。
全部出せればそれにこしたことはないが、録り直しのきかない一発勝負・・・演奏の出来不出来もあるしCD一枚(最大で約70分強)というキャパシティの制約もあるわけで、どうしても半分弱は削らなくてはいけない。
さらにこれら選曲作業の次には若干の ”音決め” もしなくてはならない。
通常のスタジオ録音ならマルチトラックなので極端な話、パートごと丸々差し替えなどという荒業も可能なわけであるが・・・・・。今回はマイクは複数立てたものの基本的には2トラック一発と言われる昔ながらの手法に近い録音、そんなに細かい ”修正” はきかない。
しかしながら各楽器ごとの残響の大小やバンド全体に対するホールトーン(エコー)のバランス等々、補正可能?なポイントはいくつかある。
O・パークスタジオの優秀なモニター(確かレイ・オーディオ製)で作業するのだから何も不安なところは無い。
しかしそれまでにある程度自分なりのイメージをも掴んでおきたかったので日中まる一日かけて我が家でもじっくり聴いてみた(しかも久々の ”検事耳” で)。
残響、という一種どうにでもとれる曖昧な切り口で試聴する以上その道具としては複数のスピーカーが必要となるわけで家にあるスピーカーは総動員となった・・・・・大は4wayなんちゃってマルチから小は枕元フルレンジ裸ユニット、さらには蓄音機モノラルホーンまで・・・・。
ヘトヘトになって聴き倒した結果
どうしてもピアノの音だけがやや立ち過ぎ、というかややオンマイク的に感じた。
25日にはこのピアノだけでも電気的エフェクト(リバーヴ)を薄く施せないかどうか伺ってみるつもり・・・・
ただ他の楽器も盛大にカブっているので難しいのかも知れないが。
これだけ集中して聴く時いつも感じる事がある。
『本当の音って何処にあるのだろう?』
当日ステージ上で実際音を出していた我々ですら録音を聴くと、リアルタイムで演奏時に聴こえていたサウンドとの違いにとまどう事が多い。これはどっちが良いか?という問題ではなく、その演奏会場のどの場所での音が ”本物” か? という根源的な疑問につながっていくのである。
普通何も演奏音を増幅しないクラシック音楽では客席で聴ける音響が一般的、という理由でシンプルな ”ワンポイントーステレオ録音”もよく見受けられるがマルチトラック・オンマイクが主流を占めるジャズでこれ(ワンポイント録音)をやると大概が 『物足らない』とか『音像が遠い』とやっつけられるのだ。あたかもラーメンで言うところの(笑) ”無化調”に向けられる批判と同質な物を感じる、どちらも食わず嫌い、というだけだと思うのだけど・・・・・。
ステージ上で演奏者自身が最良のバランス・音色と信じていても客席ではそうは聴こえていないかも知れぬ恐怖といったらない。
上記での 『本当の音は何処・・・・』への回答だが
『何処の音も本物』
・・・・と考えるようにしたら少しは楽になった。
by slapper1107
| 2010-02-18 00:35
| オーディオ