2010年 03月 01日
切羽詰った音を・・・ |
出したい。切実に出したい。
本業の演奏でも趣味のオーディオでもその両方で、だ。
それはどんな音?
例えば何でも良いが、
とか
などの作品で聴ける音。
ここでのL・モーガンやキャノンボールの演奏ぶりは ”剣豪” ならぬ ”管豪” とでも例えたくなるような 太くて速い 音だ。
大きな身体に目一杯エアーを吸い込んで十分に溜め込んだのを一気に吐き出す・・・・
そのスピード感は、風船に空気をどんどん入れていっていきなり パチン!! と破裂する瞬間にも似ているか?
こうしたコンプ感=圧縮感溢れる音をどうやってオーディオで出すか?
優れたジャズメンやダンサー、そしてアスリート達にも共通するある種の ”タメ” 。
これらをレコード盤から引っ張り出す為にしなくてはいけない事・・・・・とは
#1:とにかくパワーアンプまではギリギリの高ゲイン
#2:コンプレッションドライバーとホーンの使用
誤解を承知でホザけばこの2点に尽きる、と思う。
とにかく、音の入り口でも出口でもギリギリまで ”締め付け” て一気に放出させよう、という算段だ。
水道の蛇口やホースの端っこを塞いでやると水が勢いよく飛び出す・・・・アレである。
英語で言うところの "squeeze" みたいな感じ?
#1について、僕の場合はとにかく高出力のカートリッジ(必然的にMM型となる)をさらに昇圧しプリ~パワー間にもう一段ブースターアンプ的なパワーアンプを挿入。
#2についてはPA用高能率ドライバープラス蓄音機ホーンを超ニアフィールドで。
・・・・で実践?している。
僕なんかは狭い部屋で周囲の苦情を気にしつつチマチマとホーンに頭突っ込んで聴いているしかないのだが、これと同じくらいの満足感を仮にもっと大きなシステム=15インチウーハー以上使用の3~4way で得ようとするならそれはもう・・・・想像を絶するような苦難が待ち構えているだろう。
日本一イイ音、といわれる一関のジャズ喫茶ベイシー の菅原正二氏の二冊。
この中にはこういった ”切羽詰った” 音を出すヒントがそこかしこにちりばめられている。
特にマルチウェイシステムでは各帯域ユニットの ”足並み” を如何に揃えるか、がキモとなるのだがドラマーでもあった氏は恐らく等身大のドラムセットをリファレンスに調整・・・まさに指の皮一枚の世界・・・・されてきたのだろう。
僕はこれらを教科書がわりに何度読み返したことか!
大袈裟ではなく、オーディオとはレコードやCDをただポン、とかければ一丁上がりではない事をこの本は教えてくれる。
あまりに求道的、と疲れた向きには
→ が ”副読本” としてオススメできるかもしれない。
・・・・ああ、また ”暑苦しいの” を聴きたくなってきたぞ。
by slapper1107
| 2010-03-01 00:08
| 本・読書